テロップ
ひと昔…いえ “ふた昔”くらい前までは、目にはするものの言葉としてあまり浸透しておらず、「テロップの仕事をしています」と伝えてもピンと来ない方が多かったように思います。しかし、今やテロップはテレビ番組に欠かせない存在となり、皆さんにも耳馴染みのある言葉となりました。ニュースやワイドショー、バラエティーから音楽番組まで、私たちは多種多様な番組、主に生放送番組のテロップ制作を担っています。
テロップは、テレビを見ていると自然に目に入り、数秒間で目まぐるしく移り変わるのであまり印象に残らないかもしれません。しかし、テロップ制作は実はとても奥深いものなのです。フォント(書体)やサイズ, 色や動きなどを工夫することで「文字」の表現力は格段に上がります。また、言葉と言葉の間に“呼吸”を意識したスペースを設けることで視聴者の方々により読みやすい文章になります。目に触れる時間が数秒間と儚いテロップですが、ひとつひとつに“気持ち”を注いでつくっています。
フリップ
こちらも今やテレビ番組に欠かせない存在です。皆さんの耳にも馴染んでいるのではないでしょうか。手持ちの小さいサイズのフリップボードから畳の大きさのパネル、また人型の等身大パネルや手持ちのプラカードまで様々なフリップやパネルの制作をしています。
文字ばかりのものからグラフやイラストをあしらったもの、地図やイラストがメインの図解など内容も様々です。画像の制作から印刷、パネル加工まで行っています。
特に“めくり”を多用する畳サイズのパネルは、近年「番組の演出に効果的」と各局のワイドショーのトレンドとなっていて、視聴率のカギを握る存在です。皆さんの目に触れる機会も多いのではないでしょうか。
“めくり”とは、説明をしながら隠している箇所を一つ一つめくっていく、ニュースやワイドショーなどでよく見かけるアレです。めくりやすくしつつも簡単に落ちては困るので剥がれにくくしなければなりません。ものによっては二重、三重にめくるものもあります。実はこの“めくり”、人の手による接着の強さの調節で、演出に支障なくめくりやすく剥がれにくいものにしています。それはまさに“職人技”です。
CG
フリップとは違い、画面の中で表現するCGはいまやごくごく身近なものです。コンピューター・グラフィックスの略であることは皆さんご承知の通りです。
例えば、事件現場の間取りや事故の経緯の説明、人の身体の図解や番組タイトルなど2D, 3D様々なものを制作しています。特に携わっているのは生放送番組で、情報をお伝えする補助の役割ではありますが、放送までの限られた短い時間の中で、ご覧頂く皆さんに「正確で、美しく、分かりやすい」をお届けすることを常に意識して制作しています。
イラスト
主にはテロップやフリップ、CGにあしらうイラストを制作しています。建物や施設、動物や植物、人物や風景などなど…。場合によっては出来事を分かりやすく見せる1コマや4コマのマンガ風のイラストなど、ニュースやワイドショー、バラエティー番組など用途は様々です。
また、グッズやキャラクターのデザインも手掛けています。リアル、シリアスなものから可愛らしいもの、コミカルなものまで用途に合わせて様々な画風で描きます。生放送用には時間の都合でフリー素材を利用するケースもありますが、基本的には一から描いています。
レタリング
誰もが趣味で画像や動画の加工を簡単にできるのが当たり前となった昨今、それに合わせてフォント(書体)も多種多様となりました。手書き風フォントも楷書や行書だけでなく、荒々しい筆文字やペン字風、まる文字など様々なものがあります。
そんな中でも、やはり人の手で書く“手書き”の文字は重宝されています。「荒々しく」「やわらかく」「コミカルに」…言葉のイメージや話している人の感情や表情を繊細に表現できるのは、人の手による“手書き”ならではです。習字の技術だけでは表現しきれない繊細な“職人技”がここにもあります。
カラー
モノクロ
校正・校閲
某ドラマのヒットで皆さんにも知って頂けたのではないでしょうか。ドラマで描かれた雑誌や書籍の校正・校閲ではなく、テレビの校正・校閲はテロップやフリップを主体としているので手法、手段は少し違ったものではありますが、表記や表現などに誤りがないかをチェックする、正しい情報をお伝えする上で重要な存在である事は変わりありません。
制作原稿に則ってテロップやフリップなどを制作しますが、なにより制作する上でのミスがあってはなりません。制作原稿も人の手によるものですから誤りはあります。出来上がった制作物もそうですが、原稿にも誤字や脱字などの誤りがないかをチェックするのが「校正」です。まずはこの校正に重きを置いています。そして内容にも誤りがあってはなりません。生放送の中でできる範囲ではありますが、事実関係や表現に誤りがないか、内容に矛盾などがないかをチェックする「校閲」にも力を入れています。