すぐわかる画家別近代日本版画の見かた

岡本 祐美 , 西山 純子 , 滝沢 恭司 , 今井 圭介 著

価格
2,200円(税込)
刊行
2004年02月
ISBN
9784808707514
Cコード
0071
判型
A5
ページ数
136

内容

■明治以前の版画は浮世絵版画にみられるように複数の手になる共同制作が普通であった。本書では画家自らが全て行う明治以降の日本の創作版画家の特徴・技法・人間像を探る。
■美術史の中から落とされがちだが人気の高い画家や、戦後、海外のコンクールで受賞を重ね、世界的に高い評価を得た画家も紹介。
■[目次抄]1章(明治-大正)月岡芳年/川瀬巴水/伊東深水ほか2章(大正-昭和初期)竹久夢二/田中恭吉/恩地孝四郎ほか3章(戦前)川上澄生/谷中安規/畦地梅太郎ほか4章(戦後)棟方志功/長谷川潔/浜口陽三/駒井哲郎/瑛九/池田満寿夫/菅井汲/日和崎尊夫ほか

目次

日本版画の歴史(江戸時代まで)─生活のなかの版画

第一章??明治から大正期の版画:浮世絵版画から新版画
落合芳幾:不安な世相を背景に、生と死のあいだに浮かび上がる人間像を映写
月岡芳年:熟達した画技と創造的精神が生んだ、明治浮世絵の到達点
小林清親:水彩スケッチを版におこした、開化の東京風景
野村芳国:上方浮世絵、最後の輝き
亀井至一:砂目石版の第一人者
エドアルド・キヨソーネ:日本近代印刷術の父
合田 清:西洋木口木版の伝達者
●特集:版元・渡邊庄三郎
橋口五葉:徹底した浮世絵研究で掴んだ板絵の魅力を再現
伊東深水:新版画運動の旗手
山村耕花:大正の写楽
川瀬巴水:旅情を詩う風景版画
吉田 博:本格的な洋画の描写力と高度な伝統的木版技術の融合
吉川観方:浮世絵および風俗研究を通じて生まれた木版画
●特集:異国から来た浮世絵師たち

第二章??大正から昭和初期の版画:創作版画の誕生と発展
山本 鼎:今日に続く創作版画の偉大なる父
織田一磨:街の記憶を描きとどめる孤高の石版開拓者
戸張孤雁:錦絵と近代版画をつなぐ人
永瀬義郎:版の制約にこだわらず版に遊ぶ自由人
●特集:大正期はじめの版画ブーム
竹久夢二:近代の浮世絵師として多くの人を魅了した
田中恭吉:死と生を凝視する人
恩地孝四郎:日本版画界の最前線で活躍した版の前衛詩人
藤森静雄:野性的な魅力と個性あふれる鮮烈な彫刻刀の痕跡
●特集:『方寸』と『月映』
小泉癸巳男:彫版と色遣いの名手
平塚運一:彫りの正統を学んだ生粋の木版画人
前川千帆:人柄そのままに飄々と刻む人間風景
●特集:広がる創作版画
●特集:大正期の新興美術と版の絵

第三章 昭和前半期の版画:個性派たちの登場
川上澄生:異国的なるものへの憧れ
川西 英:ハイカラでまばゆい色面構成
深沢索一:茫漠とした風景の魅力
谷中安規:変幻自在のイメージを刻む鬼才
藤牧義夫:都会を刻む刀の傷痕
小野忠重:版画の本質を問い、版画の歴史を編む
今 純三:郷土を刻む精緻なエッチング
畦地梅太郎:山を歩き、山に恋いこがれ、山を刻む
徳力富吉郎:職人とともにきわめる京版画の粋
●特集:珠玉のシリーズ《新東京百景》

第四章 昭和後半期の版画:世界への飛躍
棟方志功:古典回帰して日本の伝統や土着性を浪漫的「板画」に表す
長谷川潔:古典技法によって一木一草を描いて、真理に迫る
浜口陽三:個性を絶対視するカラー・メゾチントの開拓者
斎藤 清:日本の伝統美や風土を大胆な造形で表現する
駒井哲郎:銅版画に夢と現実を具現化した詩人
瑛 九:アカデミズムからの解放を説いた前衛画家
池田満寿夫:身近に起こる小さな驚きやエロスを道化の精神で描いた版画家
菅井 汲:パリを拠点に颯爽と絵画世界を切り開いた画家・版画家
清宮質文:現実の制約から解放された精神的空間を創造する
日和崎尊夫:精緻な描写で、深遠な精神世界を創り出す
●特集:国際版画展

版画の基礎知識 用具と技法:木版画・銅版画・石版画(リトグラフ)・シルクスクリーン)
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