もっと知りたいエミール・ガレ
- 価格
- 1,760円(税込)
- 刊行
- 2007年07月
- ISBN
- 9784808708085
- Cコード
- 0072
- 判型
- B5
- ページ数
- 80
内容
■ガラス工芸を芸術の域にまで高め「ガラスの詩人」といわれたアール・ヌーヴォーの巨匠エミール・ガレの傑作を年代で追う。ジャポニスムや象徴主義との関連、文学や植物学などの知的バックボーンなどに触れながら、後世に影響を与えた独創的な作品の魅力を解き明かす。
■ガレは、複雑・重厚かつ幻想的な美しさで知られるガラス工芸以外に、遊び心あふれる陶器や自然賛歌を打ち出した家具なども多数制作している。本書はそれらにも視野を広げ、トータルでガレの表現世界をとらえる。
目次
第1章 歴史主義と異国趣味からの出発
伝統的な様式の継承
東方文化への憧憬
特集 独自の解釈と遊び心 -陶器
東洋、特に日本への強い関心
自由で豊かな想像力
profile1 パロディと見立て
第2章 深みを増す陰の世界
「ものいうガラス」
「悲しみの花瓶」
特集 生活の場に生きる芸術 -家具
浮世絵の構図法に学んだ風景描写
キッチンは自然の恵みにあふれて
古い伝統からの脱却を図る前衛的実験
profile2 園芸家としてのガレ
第3章 到達した孤高の境地
花開くアール・ヌーヴォー
1900年 パリ万博
「削り」から「盛り上げ」へ
母なる海への回帰
profile3 電気の普及と斬新なランプ
profile4 ガレとナンシー派
第4章 ポスト・ガレ
総論 ガレ芸術の真底にある世界とは
ガラスの技法
作品索引・参考文献
エミール・ガレの作品を所蔵する主な美術館
著者プロフィール
1954年神奈川県生まれ。東京教育大学教育学部芸術学科卒業。筑波大学大学院芸術学研究科博士課程単位取得退学。武蔵野美術大学、玉川学園女子短期大学、東京歯科大学、筑波大学非常勤講師等も務めながら、北澤美術館学芸部長、黒壁美術館館長、長浜アートセンター館長、(株)黒壁取締役・執行役員等を歴任。美術史家。主な著書に、『信州の美術館』(保育社)、『光の魔術師―エミール・ガレ』(小学館)、『もっと知りたい エミール・ガレ』『もっと知りたい ルネ・ラリック』(ともに東京美術)等、監修・執筆に、『アール・ヌーヴォーのガラス―北澤美術館コレクション』(光村推古書院)、『ポーラ美術館名作選―エミール・ガレとアール・ヌーヴォーのガラス工芸』(ポーラ美術館)、『岡田美術館所蔵ガラス工芸の精華―ガレとドームの世界』等、ほか、『アール・ヌーヴォーとアール・デコ―蘇る黄金時代』(小学館)、『NHK美の壷―アール・ヌーヴォーのガラス』(NHK出版)、『ヤマザキマザック美術館―工藝』等寄稿多数。