すぐわかる人物・ことば別桃山時代の美術

奥平 俊六 監修・著/成澤 勝嗣 , 梶山 博史 , 日高 薫 著

価格
2,200円(税込)
刊行
2009年08月
ISBN
9784808708207
Cコード
0070
判型
A5
ページ数
144

内容

■桃山時代はおおよそ1568年から1615年くらいまでの半世紀に満たない期間であるが、日本の芸術・文化が、かつてないほどあらゆるジャンルで個性的に花開いた時代である。下克上の時代を背景に自由な創造が尊ばれ、独創性あふれる天才が輩出した。
■本書は彼ら天才を活躍した年代順に並べ、人物だけでは出せない桃山の特質を言葉でとりあげ、その斬新性とともに日本文化の豊かさ、面白さがわかるようにした。

目次

第1章 天下人とその時代
織田信長─桃山文化の立役者
安土城─信長の世界観と美意識を具現化
イエズス会─世界布教による西洋文化の伝来
洛中洛外図─花の都の変貌ぶりをあらわす
豊臣秀吉─イメージ戦略にたけた天下人
大坂城と聚楽第─幻の障壁画で飾られた城郭
南蛮屏風─大航海時代の風俗画
北政所─菩提寺に桃山美術の精華を残す
豊国社─豊臣家の聖域に造立された神社
【特集1】 方広寺大仏殿─巨大なものを志向する桃山文化の象徴
徳川家康─封建体制維持のための絵画を生む
初期洋風画─キリスト教布教のための絵画
世界図屏風─ヨーロッパ製の地図を華麗に装飾化
朱印船─豪商たちが描かせた巨大絵馬
名古屋城と二条城─狩野派一門の一大プロジェクト
変わり兜─戦場でアピールする奇抜なデザイン
陣羽織─権力者の高級ファッション
出雲阿国─異端の「かぶき踊り」の創始者
カブキモノ─異風のファッションを競い合う
【図解】書院造と茶室:黄金とさび・両極の装飾空間
ミニコラム
 日本の新首都・安土
 洛中洛外図に描かれた行列
 桃山百双
 聖体顕示台
 女性と子どもの肖像
 豊臣人気を強調する風俗画
 世界一進んだ地図屏風
 巨大絵馬の時代
 馬揃え

第2章 桃山の絵画
狩野永徳─新時代「桃山」の絵画様式を創造した天才
 コラム・濃絵
塔頭と障壁画─大名・貴人が造立した菩提寺
狩野光信─狩野派の命運を江戸につないだ永徳の嫡男
狩野孝信─転換期の狩野派を支えた功労者
御用絵師─権力者に召し抱えられた狩野派
狩野山楽─数奇な運命をたどった京狩野の祖
狩野内膳─マニアックな風俗画家
長谷川等伯─狩野派をおびやかした上昇志向の画家
 コラム・画壇の正統派を主張する『等伯画説』
海北友松─武人画家の気骨を表現
雲谷等顔─雪舟の後継者に指名された画家
土佐光吉─源氏絵を得意とした名門の絵師
俵屋宗達─琳派の創始者となった謎の絵師
 コラム・たらし込み
金銀泥絵─王朝の装飾美への憧れ
岩佐又兵衛─浮世絵の元祖とされる孤高の絵師
 コラム・又兵衛伝説
【特集2】 風俗画とモデル─男女図の中に時代を写し出す
四条河原遊楽図─浮世絵の母胎となった風俗図
邂逅図─男女の出会い、恋愛を視覚化
遊里遊楽図─都に花開く華麗な揚屋文化
【特集3】 桃山絵画のその後─江戸にいたる障壁画の変質
【図解】屏風:用途自在な室内装飾アイテム
ミニコラム
 塔頭の部屋割り
 ライバル長谷川派への接近
 狩野派の処世術
 質画と学画
 『本朝画史』
 武人画家の系譜
 その後の土佐派
 絵屋
 遊女歌舞伎
 決めのポーズ

第3章 桃山の工芸と芸道
本阿弥光悦─多才なアート・プロデューサー
 コラム・嵯峨本
近衛信尹─寛永の三筆のひとり
烏丸光広─歌に書に才気あふれる宮廷人
松花堂昭乗─風雅なマルチタレント
千利休─茶の湯で表現する前衛芸術家
 コラム・「利休好み」の変質
長次郎─利休好み楽茶碗の創始者
古田織部─利休没後の茶の湯のリーダー
オリベ─桃山の斬新さを象徴するやきもの
唐物屋─桃山陶磁の総合プロデューサー
桃山の茶陶─日本陶磁史の一大革命
【特集4】 唐物と和物 ─舶来至上主義から新しい美の創造へ
小堀遠州─「きれいさび」の大名茶を主導
立花─時代の好みを反映した座敷飾りの花
後藤光乗─400年にわたり金工界に君臨した家系
高台寺蒔絵─桃山障壁画に通じる華やかな作風
幸阿弥家─多様な注文に応える御用蒔絵師のブランド
南蛮漆器─桃山時代の西洋向け人気輸出品
【特集5】 桃山の染織─多彩な技法で豪華な装飾を生かす
ミニコラム
 寛永の三筆
 定家様
 「織部」もどきのやきもの
 トリックのような立花
 片身替わり
 桃山蒔絵
年表
美術館・博物館紹介
図版索引

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著者プロフィール

奥平 俊六 監修・著

日高 薫 著