すぐわかる源氏物語の絵画
- 価格
- 2,200円(税込)
- 刊行
- 2009年02月
- ISBN
- 9784808708276
- Cコード
- 0071
- 判型
- A5
- ページ数
- 152
内容
□『源氏物語』54巻(桐壺?夢浮橋)を1巻につき見開き2頁で、その巻のあらすじ・絵巻などに描かれた場面の約束事や見どころ、話題豊富なコラムに最新情報も入れビジュアルに紹介。図版約130点。
□絵画に描かれた約束事がわかると絵巻はもとより、『源氏物語』をテーマにした工芸品などに描かれた場面が、どの巻にあたるかがわかり作品を楽しむことができる。
□特集頁のテーマは、「初音調度」「これも源氏絵」「六条院の四季」「探幽の源氏絵」「整えられていく構図」「白描の源氏絵と女性」「抵抗する女君たち」ほかで、『源氏物語』から生まれた数々の美術についてとりあげた。執筆陣は源氏絵の第一人者。
目次
はじめに─「源氏絵」その創造世界への誘い
第1部「桐壺」 「藤裏葉」─光源氏誕生から青年期の恋の遍歴
1巻 桐壺(きりつぼ)─帝と桐壺更衣との間に生まれた光源氏、その誕生から元服までを描く。
2巻 帚木(ははきぎ)─「雨夜の品定め」触発される青年源氏、空蝉との出会いを描く。
3巻 空蝉(うつせみ)─空蝉への想いを抱いて、邸へ忍ぶ源氏。空蝉、軒端荻との情景を描く。
4巻 夕顔(ゆうがお)─市井に暮らす女人夕顔との出会い、その後の出来事を描く。
5巻 若紫(わかむらさき)─美少女紫の上との出会い、二条院へ誘うまでを描く。
6巻 末摘花(すえつむはな)─醜女とは知らずに契った末摘花、源氏の落胆を描く。
7巻 紅葉賀(もみじのが)─雅な催しに秘められた藤壺の苦悩、宮廷の悲喜こもごもを描く。
8巻 花宴(はなのえん)─宮中で桜花の宴のあと、入内間近の朧月夜との一夜を描く。
9巻 葵(あおい)─六条御息所の心を深く傷つけた車争いと、その後の顛末を描く。
10巻 賢木(さかき)─野宮での六条御息所との別れ、藤壺への執心を描く。
11巻 花散里(はなちるさと)─かつての女人に拒まれる源氏、それを暖かくもてなす花散里を描く。
12巻 須磨(すま)─無冠となり紫の上と離れて須磨へ下る、その侘び住まいを描く。
13巻 明石(あかし)─明石の入道邸での暮らし、明石の君との出会いを描く。
14巻 澪標(みおつくし)─許されて京へ戻った後、住吉社参詣で明石の君との遭遇を描く。
15巻 蓬生(よもぎう)─荒廃した邸に住まう末摘花、その久方ぶりの再会を描く。
16巻 関屋(せきや)─京へ戻る空蝉の一行と、逢坂の関での邂逅を描く。
17巻 絵合(えあわせ)─帝の寵愛を競う絵合わせの催し、斎宮の女御への源氏の心尽しを描く。
18巻 松風(まつかぜ)─大堰に移り住んだ明石の君とその姫君、待ち望んだ源氏との再会を描く。
19巻 薄雲(うすぐも)─明石の姫君を引き取った源氏、二条院での懊悩の日々を描く。
20巻 朝顔(あさがお)─源氏の朝顔の姫君への執着、それを悩む紫の上を描く。
21巻 少女(おとめ)─夕霧と雲居雁の悲恋、造営された六条院の情景を描く。
22巻 玉鬘(たまかずら)─夕顔の遺児玉鬘と源氏の奇遇なめぐり会いを描く。
23巻 初音(はつね)─六条院の新春、源氏と女君たちとの交歓を描く。
24巻 胡蝶(こちょう)─春の六条院での雅な行事、その裡に秘められた玉鬘の憂鬱を描く。
25巻 蛍(ほたる)─夏の六条院、玉鬘と蛍兵部宮の出会いを描く。
26巻 常夏(とこなつ)─盛夏の六条院で若い公達との交歓、内大臣邸の出来事を描く。
27巻 篝火(かがりび)─夏の終わり、篝火が映し出す源氏と玉鬘のひとときを描く。
28巻 野分(のわき)─野分の日とその翌朝、夕霧が垣間見た六条院の女君たちを描く。
29巻 行幸(みゆき)─玉鬘の運命を変えた、冬の大原野への行幸を描く。
30巻 藤袴(ふじばかま)─出仕を待つ玉鬘の憂愁と、藤袴の花に想いを込める夕霧を描く。
31巻 真木柱(まきばしら)─玉鬘を娶った鬚黒大将邸の騒擾を描く。
32巻 梅枝(うめがえ)─明石の姫君入内の備えに心をつくす源氏を描く。
33巻 藤裏葉(ふじのうらば)─夕霧と内大臣の和解、冷泉帝・朱雀院の六条院行幸を描く。
コラム●交差する物語絵と風俗画
コラム●須磨巻にみる多様な場面選択
コラム●桃山の大画家土佐光吉
コラム●これも源氏絵
コラム●六条院の四季
コラム●初音調度
コラム●狩野探幽の源氏絵
コラム●整えられていく構図
コラム●源氏物語画帖について
第2部「若菜上」 「幻」─光源氏の壮年期の物語
34巻 若菜上(わかな上)─六条院の春、蹴鞠の催しにはしなくも姿を見られた女三の宮を描く。
35巻 若菜下(わかな下)─女三の宮への柏木の執心、六条院での女楽のひとときを描く。
36巻 柏木(かしわぎ)─嘆きの女三の宮を憂う父朱雀院、罪の重さに病に臥す柏木を描く。
37巻 横笛(よこぶえ)─落葉の宮に深く傾く夕霧の心、それに気づかぬ雲居雁を描く。
38巻 鈴虫(すずむし)─女三の宮への源氏の愛執、冷泉院邸の月夜の宴を描く。
39巻 夕霧(ゆうぎり)─夕霧の落葉の宮への一途な想い、嫉妬する雲居雁を描く。
40巻 御法(みのり)─病に臥す紫の上とその終焉、悲嘆に暮れる源氏と夕霧を描く。
41巻 幻(まぼろし)─紫の上を追慕し、うたかたの来し方を回顧する源氏を描く。
コラム●白描の源氏絵と女性
コラム●国宝「源氏物語絵巻」柏木三図の造形的特質(新たな場面選択)
第3部「匂宮」 「夢浮橋」─源氏の子(薫の宇治での恋の物語)
42巻 匂宮(におうみや)─源氏ゆかりの二人の貴公子、匂宮と薫を描く。
43巻 紅梅(こうばい)─亡き柏木の弟紅梅大納言家の複雑な内情を描く。
44巻 竹河(たけかわ)─玉鬘の大君に想いを寄せる薫と蔵人少将を描く。
45巻 橋姫(はしひめ)─叔父八の宮を宇治に訪ねた薫、二人の姫君との出会いを描く。
46巻 椎本(しいがもと)─八の宮の死と、薫に託された二人の姫、大君と中の君を描く。
47巻 総角(あげまき)─大君への想いがかなわなかった薫、中の君と結ばれた匂宮を描く。
48巻 早蕨(さわらび)─大君亡きあと、中の君の寂しい宇治住まいと上洛までを描く。
49巻 宿木(やどりぎ)─薫と匂宮をめぐる姫君たち、その悲喜こもごもを描く。
50巻 東屋(あずまや)─薄幸の女主人公、浮舟の登場を描く。
51巻 浮舟(うきふね)─匂宮への愛執、薫への呵責に苦悩する浮舟を描く。
52巻 蜻蛉(かげろう)─浮舟失踪とその後の薫を描く。
53巻 手習(てならい)─入水・自死と思われた浮舟が辿った運命、その出家までを描く。
54巻 夢浮橋(ゆめのうきはし)─愛執を捨てきれぬ薫、拒む浮舟、二人の心の寂寥を描く。
あとがき
源氏絵年表・図版目次