きもの

和のデザインと心

長崎 巌 監修

価格
3,080円(税込)
刊行
2008年05月
ISBN
9784808708375
Cコード
0072
判型
B5
ページ数
224

内容

いま人気の明治・大正・昭和の“アンティークきもの”の流れを江戸後期の小袖から解き明かします。
初公開の個人コレクションを含む5ヵ所の所蔵先の貴重なきものを中心に紹介し、それぞれの時代の特徴や流行のデザインなどがわかります。
約300点の豊富なきものの写真に加え、当時の画家の絵も多く掲載し、どう着ていたかを具体的に見て楽しめます。
近代のきものは日本独自の伝統美を継承しながら、西洋の新技術や美意識も取り入れて、その時代の女性の好みを反映しながら、多彩で華やかな意匠を展開し、新しい美を生み出していったのです。

目次

[1]粋の時代(江戸後期)
…町人女性は目立たぬ所に気を配る「粋」の美意識を小袖の意匠に取り入れ、武家・公家の女性の小袖にも独自の様式が見られる。
[2]曙の時代(明治)
…文明開化と共に化学染料を用いた華やかな友禅染のきものが流行した。
[3]ロマンの時代(大正)
…大正デモクラシーの自由な雰囲気の中、「大正ロマン」と呼ばれる形式の鮮やかな色彩と絵画的表現のきものが人気になる。
[4]モダンの時代(昭和前 期)
…アール・デコの影響からデザイン化された模様は、モダニズムを強く感じさせるが、大正以降の植物を中心とした写実的な模様も見られる。
[5]シックを楽しむ(銘仙の魅力)
…江戸からの銘仙は地味な縞柄が中心だったが、技術の多様化で色や柄が多彩となり、大正から昭和にかけて銘仙が大流行した。
[6]田中本家の婚礼衣裳
…江戸時代の豪商田中本家に伝わる華麗な婚礼衣裳の一部を紹介。
◎小袖からきものへ
◎用語解説
◎「移りゆく姿」(高畠華宵筆)

オンライン書店で購入する

著者プロフィール

長崎 巌 監修

共立女子大学家政学部教授/同大学博物館館長。
専門は日本染織・服飾史。世界の美術館が所蔵する日本染織品の調査・研究をライフワークとしている。東京藝術大学大学院美術研究科博士課程芸術学専攻単位取得修了。東京国立博物館学芸部工芸課染織室長を経て、2002年より現職。2005年、きもの文化賞受賞。『きものの裂とことば案内』(小学館、2005年)、『Kimono Beauty』(東京美術、2013年)『ヨーロッパに眠るきもの』(共著、同、2017年)など多数。