もっと知りたい雪舟

島尾 新 著

価格
2,200円(税込)
刊行
2012年03月
ISBN
9784808708610
Cコード
0071
判型
B5
ページ数
80

内容

□京都で芽の出なかった、自意識の強い遅咲きの画僧が動乱の胎動期を泳ぎ切り、ついには「画聖」にまつり上げられる……。これが、作品と対峙し、史料やフィールドの研究も長年重ねた著者の率直な雪舟観である。水墨画を極めんと漂泊する天才のイメージからは遠い「人間」雪舟の生涯が、作品とともに生き生きと語られる。
□誰にも真似のできない個性をにじませる力強い筆致はとくに晩年に顕著で、代表作の多くが60代後半以降80余歳で没するまでに生まれている。「雪舟は飽きない」という著者の案内で、水墨画の歴史を一変させた巨人の心を感じながら絵を見るのは、まさに極上の楽しみといえる。

目次

目次

はじめに 雪舟の面白さ 島尾新
雪舟の足跡

序章 雪舟誕生
 総社に生まれ、地元の宝福寺で僧となる 1歳-?歳

第1章 不遇の京都時代
 都へ上り、東福寺・相国寺で修行をしたが…… ?歳-35歳頃

 Column 雪舟の師 明兆・如拙・周文

第2章 山口での雪舟
 西国の大大名・大内氏のスタッフとなる 35歳頃-47歳頃

 Column 拙宗から雪舟へ 三十八歳での改号

第3章 中国への旅
 遣明使の一員として寧波へそして北京へ 48歳-50歳

 名画を読み解く ふたつの四季山水図 雪舟の本場風

第4章 帰国後の雪舟
 中国から帰った雪舟は、いつの頃か大分へと向かった 50歳-60代前半

 Column 旅する画家・雪舟1  応仁の乱後の世界を見て写す

第5章 山口の老大家
 地位を確立して隠居の年へ 60代後半-82歳

 名画を読み解く 「山水長巻」 大内氏を言祝ぐ

 Column 旅する画家・雪舟2  旅の芸能者の顔

 雪舟の絵を支えるもの

 特集 「天橋立図」の面白さ

終章 雪舟死す
 没した歳は八十三とも八十七ともいうが、はっきりとはわからない 83歳-?歳


おわりに 雪舟の達成 島尾新
掲載作品を所蔵する美術館・博物館
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著者プロフィール

島尾 新 著