すぐわかる日本の神像

あらわれた神々のすがたを読み解く

三橋 健 著

価格
1,980円(税込)
刊行
2012年08月
ISBN
9784808709006
Cコード
0014
判型
A5
ページ数
144

内容

□本来姿形をもたない神はどのように表現されてきたのか。変遷を時代でたどることにより「神仏習合」の様相が神道の視点から明らかに。神像出現の経緯とそれぞれの基本的見方がわかる。
□長く秘匿され、近年「再発見」された貴重な神像も多数紹介。儀規に則った仏の造像とは異なる一見稚拙にみえる古代の木造神像や、神仏習合において本地垂迹という理論的な裏付けをもつに至った神道曼荼羅の洗練された美と宇宙観、あるいは複雑に習合した民間信仰の異形の神々など、願いに応えさまざまな様相を呈する神々の姿に、人々の神に対する心性をみることができる。神像理解に必要なキーワード解説付き。

目次

はじめに─日本人の神々に対する眼差し
あらわれた神々
プロローブ─神像の源流

1章─僧侶姿の神々──仏教の衣を借りた神の表現
  仏という神の登場
  仏に秘められた神性
  神と仏の世界を行き来する僧形神
  地蔵菩薩と呼ばれた神像
  国家神・八幡大菩薩の登場
  法衣を重ね着した神像

2章─ヒコ神とヒメ神──「神像」表現に込められた神威、霊力
  神像ならではの霊威
  霊木からあらわれた神
  神秘なる母性の表現
  大地と一体となった表現
  巫女姿の女神の謎
  男女一対の祭神像
  あらわれた神像群が物語るもの
  ホトケの意匠をまとう神々
  童子形神像の出現
  頼もしき門神・随身像

3章─共存する神と仏──神仏習合の深化と表現の多様化
  聖なる山と神々の浄土【春日1】
  神々の本地仏が宿る神域【春日2】
  春日の神の新たな出現【春日3】
  比叡山麓の神仏マンダラ【日吉1】
  個性きわだつ二十一社の神々【日吉2】
  神々の連合体─熊野三山、十二所の神々【熊野1】
  過去・現在・未来を救う三所権現【熊野2】
  あらわれたる熊野神の伝説【熊野3】
  仏尊を従え鎮座する天神【天満宮1】
  怒れる天神から文道の祖神へ【天満宮2】

4章─神と仏が習合したかたち──異形の仏神と霊験信仰
  あらわれた天照大神の異相
  除疫神となったスサノオの本地
  ダイコクさんになった大国主神
  神使の狐に乗る稲荷明神
  ハイブリッドな造形の弁天像
  愛宕山の神となった武装の地蔵尊
  修験の山に息づく習合神
  カマドの神に納まった三宝荒神

5章─庶民に愛された神々──絵入り神札や掛け軸として流布した神々の御影
  庶民も信奉した三社の託宣
  三六〇日、交代で守護する神々
  富と豊饒をもたらす神々
  お伊勢参りへと誘う絵図
  霊峰富士に集う神々
  聖山・霊域にやどる尊神
  海難除けと航海の守護神
  厄除け、疫病除けの守り神
  地震をめぐる鹿島神と大鯰
  産業振興と職能の守護神

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著者プロフィール

三橋 健 著