■19世紀末から20世紀前半にヨーロッパで流行した装飾美術の様式、アール・ヌーヴォーとアール・デコを46人の作家を通して探る入門書。
■人間性と自然を尊重し、美を極めた華麗な様式は絵画や彫刻にとどまらず生活全般にわたって広がり、世界中に影響を与えました。本書は1章：ガラス・宝 飾、2章：絵画・ポスター、3章：建築、4章：家具・インテリア、5章：金属工芸・陶磁器、6章：ファッションに分け、わかりやすくビジュアルに紹介。
■本書は2003年10月に刊行した「すぐわかる作家別アール・ヌーヴォーの美術」に巻頭「キーワードで読み解くアール・ヌーヴォー、アール・デコ」と巻末「各地で出会える建築」を増補し、改訂いたしました。

キーワードで読み解くアール・ヌーヴォー、アール・デコ
1章-ガラス・宝飾
ガレ：自然に自分の思いを託し芸術作品に仕上げたアール・ヌーヴォーの先駆者
ティファニ-：アメリカのアール・ヌーヴォーとステンドグラスの第一人者
ドーム兄弟：多くの人々に愛されたわかりやすいデザイン
ラリック：アール・ヌーヴォーの宝飾からアール・デコのガラスへ転身
デプレ：パート・ド・ヴェール技法を極めたガラス作家
アシュビ-：ウィリアム・モリスから影響を受け、その理想を追求した
フーケ：店の内装までアール・ヌーヴォーにこだわった宝飾家
2章-絵画・ポスター
グラッセ：中世美術と東洋美術から影響を受けた偉大なポスター画家
ミュシャ：一作でポスター作家の地位を確立した画家
フール：世紀末美術に偉大な足跡を残した画家
クリムト：オーストリアのアール・ヌーヴォー様式を牽引した画家
ビアズリ-：短い生涯の中で衝撃的な挿し絵を生み出した画家
レンピッカ：極めて個性的な作風を持つアール・デコの女性画家
カッサンドル：広告媒体としての機能を熟知したポスター作家
3章-建築
ヴァーグナ-：ウィーンにアール・ヌーヴォー建築を取り入れた建築家
ガウディ：100年以上たった今も建築が続けられている壮大な夢
オルタ：ヨーロッパ初のアール・ヌーヴォー建築を設計
オルブリヒ：アール・ヌーヴォーからアール・デコへの境界を生きた建築家
マッキントッシュ：生活空間と芸術の一体化を目指したトータルデザインを試みる
ライト：自然との調和から発想を得て有機的な住宅を建築した
ベーレンス：近代建築を目指した先駆的な建築家
ペレ：世界中が様式を模倣した鉄筋コンクリート建築のパイオニア
4章-家具・インテリア
ゴドウィン：日本美術に影響を受けたアングロ=ジャパニーズ様式の誕生
モリス：アール・ヌーヴォーに先駆けたアーツ・アンド・クラフツ運動の立役者
リバティ商会：経営者として良いものを見分け、的確な視点で唯美主義をリード
ブガッティ：本国イタリアよりも先にヨーロッパ各地で人気になった家具
マジョレル：ナンシー派を代表する優れた家具作家
カラバン：芸術作品に有用性を与えた異色の彫刻家
ヴェルド：時代を先取りしたダイナミックな曲線を使うデザイン
モーザ-：マッキントッシュの影響を強く受けたシンプルで機能的なデザイン
リーマーシュミット：アール・ヌーヴォー様式の発展に貢献したデザイナー
デュナン：日本の漆工芸を極め、逆に日本の工芸家に影響を与える
グレイ：大胆な発想で、漆をモダン・デザインに仕上げた
5章-金属工芸・陶磁器
ドレッサ-：アール・ヌーヴォーの誕生を導いたモダニズムの原点
シャプレ：東洋陶磁の技法を発見、ゴーガンとの共同制作も行う
ドラエルシュ：芸術的評価が高い作品を制作しながらもジレンマを抱えていた陶芸家
ノックス：わずか10年を駆け抜けたケルト・リヴァイヴァルのデザイナー
ギマール：大胆で優れたアイアンワークを生み出した建築家・デザイナー
ホフマン：多作でありながら寡黙だったウィーン工房の主宰者
カリエス：短期間でフランス陶器を一変させた陶芸家
ブラント：アール・デコの金属工芸の第一人者
ビュイフォルカ：抽象美を追究したアール・デコを代表する銀工芸家
6章-ファッション
パキャン：ヨーロッパ中に影響を与えた女性デザイナーの草分け
ポワレ：女性をコルセットの呪縛から解き放った衣服の芸術家
シャネル：初めて働く女性をターゲットに衣服を作ったデザイナー
スキャパレリ：大胆でユニークなデザインを発表し続けたモード界のシュルレアリスト
各地で出会える建築　アール・ヌーヴォー、アール・デコ