もっと知りたいロートレック

高橋明也 監修/杉山 菜穂子 著

価格
1,980円(税込)
刊行
2011年06月
ISBN
9784808709334
Cコード
0071
判型
B5
ページ数
80

内容

□南仏の大貴族の家に生まれながら、パリの歓楽街に身を沈め、華やかな大都会に生きる人間を描いた画家の全貌を紹介する。「ロートレックとは何者か?」という問いに始まり、グラフィック作品で発揮されたマルチな才能を探る。
□「人間に対する深い幻滅と真摯な愛情という相矛盾する要素の同居」(序文より)する画家のエッセンスが詰め込まれた内容。「人間は醜い。けれど人生は美しい」という画家の言葉にも現れた人生観と併せ、大胆な色の使い方や配色センス、対象をデフォルメする力、浮世絵にも感化された「軽み」の精神など、作品の魅力に迫る。洒落たレイアウトデザインも見どころ。

目次

序文 ロートレックは何者か?

1章 小さな宝石の誕生 1864-1881年 0-17歳

 伯爵家の長男であるということ
  【もっと知りたい1】古都アルビを訪ねて─ロートレックの面影を探す旅
2章 アウトロー画家への第一歩 1882-1890年 18-26歳

 モンマルトルへ 修業時代
 アウトロー画家、ついに始動!!
 女神か悪女か?
 朋友ゴッホ
  【もっと知りたい2】ロートレックと仲間たち
  【傑作クローズアップ】ロートレックがとらえた〈ムーラン・ルージュ〉の一瞬
3章 モンマルトルのボヘミアン 1891-1893年 27-29歳

 モンマルトルの新しい“主”
 モンマルトルの光
 アリスティド・ブリュアン
 ジャヌ・アヴリル
 イヴェット・ギルベール
 憧れの国ジャポン
  【もっと知りたい3】ロートレックの愛したモンマルトル
  【もっと知りたい4】モンマルトルのスターたち
  【もっと知りたい5】ポスターの世紀
4章 世紀末パリに生きて 1894-1896年 30-32歳

 パリの男と女
 石版画集『彼女たち』 
 劇場に魅せられて
  【もっと知りたい6】ロートレックとドガ
  【もっと知りたい7】“線の画家”が獲得した芸術としての版画
  【もっと知りたい8】ロートレックと出版文化
5章 “旅”からの帰還─最期の日々 1897-1901年 33-37歳

 サーカスに託した自由
 放蕩息子の帰還
  【もっと知りたい9】ロートレックを探せ!
終章 ロートレックの没後とその影響
 日本におけるロートレック
 ロートレックの作品を所蔵する主な日本の美術館

●コラム
 ロートレック最初の友“馬”
 画家としてのシュザンヌ・ヴァラドン
 ベルギーの二十人会とは?
 ロートレックの食卓
 アルバム『イヴェット・ギルベール』
 ロートレックの赤と緑
 レズビアン絵画
 サロンの女主人、ミシア・ナタンソン

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著者プロフィール

高橋明也 監修

1953年生まれ。東京藝術大学大学院美術研究修士課程修了。東京都美術館館長。国立西洋美術館学芸課長、三菱一号館美術館初代館長等を経て、2021年より現職。専門はフランス近代美術。1984~86年、オルセー美術館開館準備室に勤務。2010年にフランス芸術文化勲章シュヴァリエ受章。主な企画展覧会に「ドラクロワとフランス・ロマン主義」(1989年)、「1874年―パリ、〈第一回印象派展〉とその時代」(1994年)、「オルセー美術館展」(1996年、1999年、2006~07年)、「ジョルジュ・ド・ラトゥール―光と闇の世界」(2005年)、「コロー 光と追憶の変奏曲」(2008年)、「マネとモダン・パリ」(2010年)他。著書に『ゴーガン―野生の幻影を追い求めた芸術家の魂』(六耀社)、『もっと知りたいマネ』(東京美術)、『美術館の舞台裏―魅せる展覧会を作るには』(筑摩書房)、『新生オルセー美術館』(新潮社)他。