すぐわかる日本の伝統色 改訂版

福田 邦夫 著

価格
2,200円(税込)
刊行
2011年08月
ISBN
9784808709389
Cコード
0072
判型
A5
ページ数
160

内容

□豊かな色彩美の世界をわが国古来の色の名前でひもとく文化史。時代で章分けし、ワンテーマで2?4の類色について簡潔な説明を施した。絵画や工芸品などの豊富な実例に加え、染料・顔料、名前と関わりの深い自然の風景など図版を多用し、色の名前と色彩の魅力を伝える。色見本付きで、事典としても有用な一冊。
□それぞれの色が使われた時代背景や色名に込められた人々の思いなどを知る糸口として、色にまつわる物語や色名を詠み込んだ歌など古典からの一文もテーマごとに紹介している。
□冠位十二階や襲の色目、威の色目、江戸の流行色などは特集ページを設けてさらに詳説。

目次

第1章 先史から奈良時代
[概説]先史から奈良時代にかけての色
赤への畏敬-古代の特別な色
都の壮麗-丹塗りの建造物
さまざまな赤を茜で染め分ける
舶来のエキゾチックな赤
●特集● 色が司る古代の世界観
皇太子や皇族の正装の色
樹木で染めた素朴な褐色
大地由来の古代顔料
美しい黄色絵具には毒があった
●特集● 色が示す地位と身分
染紙にも使われた最古の黄色の染料
古代を飾る緑
シルクロードを経て伝来した高貴な青
藍は人類最古の植物染料
臣下の最高位を示す色
身分の低い者が着用した黒
白は神事に関わる聖なる色だった
第2章 平安から室町時代
[概説]平安から室町時代にかけての色
王朝人が愛した、紅花染の花の色
濃きも薄きも-都を風靡した紅色
公家にも武家にも好まれた濃い紅色
深まる秋を染める
花と虫-臙脂2色
天皇の礼服に用いる最たる禁色
香木を使った優雅な色合い
文学的洗練-自然の風物を色名に
武士の時代に生まれたリアルな色名
晩秋の風情を色名に託して
木の実で染める
●特集● 襲の色目
●特集● 公家男子の装束
王朝のベージュ
中世に生まれた黄褐色
控えめに使用された赤みの黄色
野山を彩るまばゆい黄
天皇の普段着の色
●特集● 日本文化を彩る黄金の系譜
早春の柔らかな芽吹きの色
春から初夏へ-若々しい緑の生命感
冬の厳しさに耐えて変わらぬ松の緑
鎌倉時代以降に染色の色として定着
●特集● 戦場における華やかな彩り
空色は世界共通の明るい青をいう
紺の登場-濃い藍に期待された効用
色の王者として憧れられた紫
紫の花々を冠した「めでたき」色名
紫の微妙な色合いを文学的に表現
哀悼の意を表した無彩色系
中世の発見-漆黒の美
●特集● 墨に五彩あり
ほのかな白
第3章 桃山・江戸時代
[概説]桃山・江戸時代の色
戦場を飾った鮮やかな赤
●特集● 戦国武将と南蛮趣味
酸化鉄を含む赤土の色
自然の明るい赤を着物やかんざしに
江戸時代に流行ったいろいろな柿色
お茶を飲む習慣から生まれた色名
●特集● 日本を代表する版画-錦絵の誕生
●特集● 江戸時代の流行職 茶色
茶色の流行は身近な鳥にも及ぶ
江戸時代にできた甘みの色
●特集● 季節を楽しむ和菓子
●特集● 歌舞伎役者が流行らせた 歌舞伎色
黄色の食材が色名に
江戸っ子好みの渋い色
繊細な感性が生んだ黄緑色の使い分け
竹の状態とともに変わる色名
庶民が着た薄い藍染
藍染の普及が生んださまざまな呼称
紺屋泣かせの濃い紺色
焼物や絵画に現れた青色
庶民にも紫は憧れの色だった
●特集● 江戸の中期から後半の流行色
色名になった金属
●特集● 銀のひそやかな輝き
忘れられた江戸の流行色
熱帯からもたらされた黒色の染料
由来で納得-風変わりな色名
●特集● 日本の化粧
近代の伝統色
日本の伝統色名についての基礎知識
類色一覧

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