木目金の教科書 新装版
- 価格
- 3,080円(税込)
- 刊行
- 2015年06月
- ISBN
- 9784808710095
- Cコード
- 0072
- 判型
- A5
内容
□「木目金(もくめがね)」とは色の異なる金属を幾重にも重ね合わせたものを、丹念に彫って鍛え、美しい木目状の文様を作り出す日本独自の金属工芸技術(および作品)です。
□本書は近年注目されているこの金属工芸について、歴史・文化・名作・技法などを体系的にひもといた初のガイドブック。様々なプロセスを経て、技術と感性の融合から生まれる奥深い魅力を多角的に解説しています。
□本書は2009年に刊行された『木目金の教科書』のカバーデザインを変更して「新装版」としたものです。
◎刀装具からモダン・ジュエリーへ
金属の色の違いを巧みにあやつり、優美な趣を生みだす極めて高度な技術は、江戸期に刀装具として完成の域に達しましたが、明治の廃刀令以降、一時は伝承が途絶えて幻の技とも呼ばれていました。しかし近年、この技術にひかれた熱意ある人々によって復元・研究が進展し、現代の生活の中で楽しめる工芸としてみごと復活。最近は特に国内外のジュエリー業界で話題となり、オーダーメイドの指輪が人気を呼んでいます。本書では、想いを込め、手をかけて生まれる工芸品の魅惑の秘密を解き明かします。
目次
木目金とは
1章 木目金図鑑
刀装具・提げ物・香合・金工品・喫煙具
年表──木目金歴代名工の系譜
〈コラム1〉煙管 粋なしぐさ
2章 木目金を学ぶ
木目金の制作工程
機械設備による木目金の接合
金属の接合
煮色着色
色金の着色機構
〈コラム2〉笄 身だしなみ
3章 木目金の歴史
〈コラム3〉矢立 旅のはじめに
4章 復元研究
〈コラム4〉香合の文化 おもてなしの心
5章 木目金のジュエリー
〈コラム5〉提げ物 ストラップの元祖
木目金 思いを込める技術
付録
機関ガイド/刀と鐔の部位名称/用語解説/執筆陣紹介