江戸の十二支+αどうぶつえん
- 価格
- 2,200円(税込)
- 刊行
- 2014年10月
- ISBN
- 9784808710118
- Cコード
- 0071
- 判型
- B5
- ページ数
- 112
内容
江戸の絵師たちが腕をふるった動物画の中から、十二支をとりあげた“誌上どうぶつえん"にようこそ!
さらにせっかくだから、十二支の仲間たちやライバル、物語ゆかりの生き物なども合わせてご紹介。
きっとお気に入りの一枚が見つかるはずです。
目次
はじめに
動物画の傑作、ここに集まれり!
プロローグ
絵巻に登場する十二支獣
●十二類合戦絵巻(模本)
●十二類歌合絵巻/雛屋立甫
江戸絵画の十二支、百花繚乱
●道外見富利十二志/歌川国芳
●十二支図/渡辺南岳
十二支と江戸の暮らし
鼠【ねずみ】
小さな体に絵師のこだわりが凝縮!
神話やお伽噺で活躍する知恵者
●光琳画譜(鼠)/中村芳中
●猫鼠を覗う図/柴田是真
●鼠図/白井直賢
●心学稚絵得 猫と鼠/歌川国芳
VS猫
表情、しぐさがたまらない!
愛猫家絵師の擬画も冴える
牛【うし】
墨の濃淡で表現された体躯の妙
人のそばにいる穏やかな力持ち
●農夫図屏風/渡辺始興
●牛図/長沢芦雪
●牽牛織女図/月岡雪鼎
●象と牛図屏風/長沢芦雪
VS象
巨大さと親しみやすさが表現の二大テーマ!?
虎【とら】
絵師たちの試行錯誤を伝える
猛獣なのにどこかおっとりした?日本版?
●虎図襖/長沢芦雪
●猛虎図/片山楊谷
●虎図/谷文晁
●猛虎図/岸駒
●虎図/菊田伊洲
●虎図/宋紫山
●猛虎図/桑山玉洲
VS獅子
日本生まれの百獣の王は唐獅子が混じっている!?
兎【うさぎ】
伝説と故事に彩られた兎さまざま
江戸時代の兎は可愛くない!?
●宝珠を搗く月兎/葛飾北斎
●兎福寿草図/岸駒
●木賊兎図/円山応挙
●笹に白兎図/小田野直武
●十二支図巻(卯)/林十江
VS亀
長寿と吉兆の象徴として亀図に込めた思い
龍【たつ】
十二支を彩る唯一の架空動物
絵師の想像力を刺激した瑞祥の神獣
●龍虎図(部分)/島琴陵
●龍図(東町祭屋台天井絵)/葛飾北斎
●雲竜図/曾我蕭白
●龍図襖/長沢芦雪
●龍虎図屏風/河鍋暁斎
VS鳳凰
時に天女のように、時に哲学者のように
蛇【へび】
特異な形状と生態が絵画の構図にも影響
怖くもあり、信仰の対象でもあり
●七難七福図巻(部分)/円山応挙
●画本虫撰(蛇)/喜多川歌麿
●花鳥図/河鍋暁斎
●雉子と蛇/葛飾北斎
VS蛙
なぜか滑稽キャラで個性を発揮する蛙たち!?
馬【うま】
合戦にも旅にも、日々の暮らしにも寄り添った存在
絵ににじみ出る人との歴史
●名所江戸百景 四ッ谷内藤新宿/歌川広重
●繋馬図/雲谷等作
●黄石公張良図屏風(左隻)
●小栗判官絵巻(部分)/伝 岩佐又兵衛
●野馬図(左隻)/与謝蕪村
VS鹿
角もお尻も斑点も……別の動物のような個性派ぞろい
羊【ひつじ】
お手本は十二支図と図鑑とヤギ!?
写実と想像、どちらもほのぼの
●十二支図巻(未)/林十江
●群獣図屏風/円山応挙
●黄初平図/島田元旦
●群仙図/円山応挙
VS海外の動物
人びとの好奇心を刺激した未知の動物たち
猿【さる】
擬人化しなくても、自然に人と重ねて見える
その姿を通して問う人の心
●十二支図巻(申)/林十江
●旭日猿図/鳥山石燕
●群猿図屏風/長沢芦雪
●猿図画帖(部分)/森狙仙
VS蟹
真面目な博物学の目、ユーモアたっぷり戯画の目も!
鶏【とり】
羽の模様と色彩に、絵師たちの技巧が宿る
一羽でも群れでも立派な存在感!
●罌粟ニ鶏図/諸葛監
●群鶏/葛飾北斎
●鶏図/鳥文斎栄之
●鶏図/曾我蕭白
●柳ニ鶏/宋紫石
●動植綵絵「群鶏図」/伊藤若冲
VS鶴
優美な立ち姿、飛翔姿はおめでたい雰囲気満点!
犬【いぬ】
日本人の犬好きぶりを実感できる
ポイントは子犬のふわふわ、ころころ
●降雪狗児図/長沢芦雪
●雪中竹梅狗子図/円山応挙
●狗子図/俵屋宗達
●犬図/仙厓
●洋犬図/酒井抱一
●百犬図/伊藤若冲
VS狐狸
人のそばで繰り広げられた化かし合い
猪【いのしし】
山野こそがよく似合う山の神
走る、眠る、臥せる、身震い!
●十二支図巻(亥)/林十江
●猪図/森一鳳
●群獣図屏風(右隻部分)/円山応挙
●猪図/松村呉春
VS熊
恐れられながらも愛嬌のある巨体が目印!
コラム
・お皿の上で大根をかじる「白鼠」!?
・江戸っ子たちが信仰した「撫で牛」とは
・愛好されていた「波兎」の文様
・火事への恐怖と龍への期待
・太平の世の副産物 自在置物の真髄
・浅草寺に将軍親子が寄進した
・「双神馬の絵馬」
・師走の風物詩 江戸時代の酉の市
・暗黙の了解だった!? 江戸の獣肉の食文化