すぐわかるギリシア・ローマ神話の絵画 改訂版
- 価格
- 2,200円(税込)
- 刊行
- 2014年11月
- ISBN
- 9784808710170
- Cコード
- 0071
- 判型
- A5
- ページ数
- 176
内容
■西洋絵画の主題として古今の画家が描いてきた神話画のうち、人気のテーマを選び、カラー図版とユーモアを交えた文章で紹介。楽しみながら西洋の美術と文化の知識を深めることができる。描かれた場面のベースとなったのはどんなストーリーか、作品にはどのように表現されているかをやさしく分析し、類似作品に接したときにも応用がきくように、特にアトリビュート(目印・特徴)を引き出して紹介している
■本書は2006年3月に刊行した『すぐわかるギリシア・ローマ神話の絵画』に、巻頭口絵を増補し、第6章を改変・加筆して改訂したものです。
目次
はじめに─ギリシア・ローマ神話の世界
美女で読み解くギリシア・ローマ神話絵画の500年
第1章 オリュンポスの神々
ペリーノ・デル・ヴァガ 「ティタン族を滅ぼすゼウス」
アントニオ・カラッチ 「大洪水」
ゴヤ 「わが子を食らうサトゥルヌス」
ヴェロネーゼ 「オリュンポスの神々」
マンテーニャ 「パルナッソス(マルスとヴィーナス)」
ドッソ・ドッシ 「蝶を描くゼウス」
ルーベンス 「ヘラとアルゴス」
ティントレット 「天の川の起源」
ロラン 「ヘリコン山のアポロンとミューズ」
ペルジーノ 「アポロンとマルシュアス」
フィアミンゴ 「ゼウスの頭から生まれるアテナ」
ドメニキーノ 「狩りをするディアナ」
エルスハイマー 「フィレモンとバウキス」
ヴァトー 「ケレス(夏)」
プッサン 「フローラの王国」
サルヴィアーティ 「運命の三女神」
カラヴァッジョ 「バッカス」
第2章 恋する神々
ティエポロ 「アポロンとダフネ」
ティエポロ 「ヒュアキントスの死」
モーラ 「ディアナとエンデュミオン」
ゲラン 「オーロラとケパロス」
ティツィアーノ 「バッカスとアリアドネ」
レンブラント 「エウロペの誘拐」
ホッサールト 「ダナエ」
モロー 「ゼウスとセメレ」
レイトン 「プロセルピナの帰還」
ジェローム 「ピグマリオン」
ルーベンス 「ボレアスとオレイテュイア」
第3章 ヴィーナスとキューピッド
ボッティチェッリ 「ヴィーナスの誕生」
ボッティチェッリ 「プリマヴェーラ(春)」
ブロンズィーノ 「ヴィーナスとキューピッドのアレゴリー」
ティントレット 「ウルカヌスに情事を発見されたヴィーナスとマルス」
ピオンボ 「アドニスの死」
ジェラール 「キューピッドとプシュケ」
ドニ 「キューピッドの正体を知るプシュケ」
第4章 巨人・英雄・怪物
ピエロ・ディ・コジモ 「プロメテウス伝説」
グエルチーノ 「アトラス」
スルバラン 「ケルベロスと闘うヘラクレス」
ルーカス・クラナハ 「ヘラクレスとオンファーレ」
レイトン 「ヘスペリデスの園」
ヴァザーリ 「アンドロメダを救うペルセウス」
ジョルダーノ 「ピネウスとその部下と闘うペルセウス」
モロー 「イアソン」
モロー 「オイディプスとスフィンクス」
ルドン 「キュクロプス」
パティニール 「三途の川を渡るカロン」
ロラン 「アキスとガラテア」
プッサン 「日の出を探し求める盲目のオリオン」
ゴルチウス 「龍に食われるカドモスの部下たち」
ヤン・ブリューゲル 「パンとシュリンクス」
ロレンツォ 「サテュロスのいる風景」
第5章 ニンフと人間
フィアミンゴ 「人類の黄金時代」
クーザン 「エヴァ・プリマ・パンドラ」
ベラスケス 「織女たち」
ピーテル 「イカロスの墜落」
リッチ 「パエトンの墜落」
プッサン 「エコーとナルキッソス」
ド・ラ・フォス 「ヒマワリに変じるクリュティエ」
ラウー 「オルフェウスとエウリュディケ」
サフェリー 「オルフェウスと動物たち」
ウォーターハウス 「ヒュラスとニンフ」
ラファエッロ 「ガラテアの勝利」
レーニ 「アタランテとヒッポメネス」
スプランヘル 「ヘルマアフロディトスとサルマキス」
サンズ 「メデア」
クルーエ 「ディアナの水浴」
ブロマールト 「ニオベの子供たちの死」
ローラン・ド・ラ・イール 「グラウコスとスキュラ」
第6章 トロイ戦争とホメロスの世界
アングル 「ホメロス礼賛」
ウテワール 「ペレウスとテティスの結婚」
ルーベンス 「パリスの審判」
ダヴィド 「パリスとヘレネ」
アングル 「ゼウスとテティス」
エル・グレコ 「ラオコーン」
ティエポロ 「トロイの木馬」
ヤン・ブリューゲル 「炎上するトロイ」
ターナー 「ポリュフェモスを愚弄するオデュッセウス」
ベックリン 「オデュッセウスとカリュプソ」
ドッソ・ドッシ 「キルケ」
ドレイパー 「オデュッセウスとセイレン」
ピントリッキオ 「機を織るペネロペと求婚者たち」
古代ギリシア世界地図/古代ローマ(地中海世界)地図
著者プロフィール
1958年生まれ。慶應義塾大学文学部卒。成城大学大学院文学研究科修了。財団法人そごう美術館、サントリーミュージアム[天保山]を経て、現在、東京ステーションギャラリー館長。これまで「ロートレック展 パリ、美しい時代を生きて」「巨匠ピカソ 魂のポートレート」「エミール・クラウスとベルギーの印象派」「シャガール 三次元の世界」「メスキータ」などの展覧会に関わる。主要論文に「1887年の〈二十人会〉におけるジョルジュ・スーラ ベルギー新印象派に関する考察」(1991年)、「スーラの自画像」(2011年)など。著書に『偽装された自画像 画家はこうして嘘をつく』(祥伝社、2014年)、『代表作でわかる 印象派BOX』(講談社、2018年)、『ビアズリー怪奇幻想名品集』(東京美術、2021年増補改訂版)、『ゴッホ作品集』(東京美術、2021年)、共著に『魅惑のベルギー美術』(神戸新聞社出版局、2013年)、『初老耽美派 よろめき美術鑑賞術』(毎日新聞出版、2019年)、訳書にアラン・ボウネス著『ゴーガン』(西村書店、1994年)、アリックス・パレ著『魔女絵の物語』(グラフィック社、2023年)などがある。