かわいいナビ派
- 価格
- 1,980円(税込)
- 刊行
- 2017年02月
- ISBN
- 9784808710798
- Cコード
- 0071
- 判型
- A5
- ページ数
- 120
内容
西洋美術の中でもダントツに「かわいい」感性あふれるナビ派。お洒落で、キレイ、そしてどこか不思議な世界をたっぷりお見せします!
19世紀末のパリで産声をあげたナビ派は、ゴーガンの美学から啓示を受け、自分たちを新しい美の「預言者(ナビ)」と称した、若い芸術家たちのグループです。
彼らは、日本美術などからも大きな影響を受け、フラットな色の面による装飾性や、日常的で親密なテーマなど、20世紀のフォービスムや抽象美術を予兆するような革新的表現を追求しました。
本書は西洋美術の長い歴史の中でも特に「かわいい」感性が見られるナビ派の作品を、画家ごとに紹介。絵本のように楽しく読めます。日本人に親しい美意識が、異なる文化の中でどんな様相を見せるのか、またいま改めてナビ派が注目される由縁も、ぜひご覧ください。
目次
はじめに
●特集1 ナビ派のかわいいってなんだろう?
1章 日本かぶれのナビ ピエール・ボナール
ニッポンが好きすぎて
身近な風景こそが愛おしい
小さきものへのまなざし
食卓は美の宝庫
記憶のなかの風景
妻マルトを見つめて
2章 ズアーヴ兵のナビ エドゥアール・ヴュイヤール
洗練された平面
私的空間を彩る装飾芸術
家族を描いて
詩情あふるる室内
カンヴァスを飛び出して
●特集2 ナビ派のかわいい談義
1「猫」ナビ派と猫の親和性
2「都市」二人のアンティミストが見た19世紀末パリ
3「ミューズ」サロンの女主人ミシア・ナタンソン/ふたりのマルト
3章 美しきイコンのナビ モーリス・ドニ
近代の聖なる絵画
恋人マルトへの愛
カンヴァスの上の家族アルバム
絵画とは装飾であるべき
4章 異邦人のナビ フェリックス・ヴァロットン
平面に閉じ込められた子どもたち
ファッショナブルな女性たち
沈黙する食卓
ユニークな視点
●特集3 まだまだいます! かわいいナビ派の画家たち
ポール・セリュジエ
ケル=グザヴィエ・ルーセル
アリスティード・マイヨール
ヨージェフ・リップル=ローナイ
ポール・ランソン
アンリ=ガブリエル・イベルス
著者プロフィール
1953年生まれ。東京藝術大学大学院美術研究修士課程修了。東京都美術館館長。国立西洋美術館学芸課長、三菱一号館美術館初代館長等を経て、2021年より現職。専門はフランス近代美術。1984~86年、オルセー美術館開館準備室に勤務。2010年にフランス芸術文化勲章シュヴァリエ受章。主な企画展覧会に「ドラクロワとフランス・ロマン主義」(1989年)、「1874年―パリ、〈第一回印象派展〉とその時代」(1994年)、「オルセー美術館展」(1996年、1999年、2006~07年)、「ジョルジュ・ド・ラトゥール―光と闇の世界」(2005年)、「コロー 光と追憶の変奏曲」(2008年)、「マネとモダン・パリ」(2010年)他。著書に『ゴーガン―野生の幻影を追い求めた芸術家の魂』(六耀社)、『もっと知りたいマネ』(東京美術)、『美術館の舞台裏―魅せる展覧会を作るには』(筑摩書房)、『新生オルセー美術館』(新潮社)他。