もっと知りたい文人画 

大雅・蕪村と文人画の巨匠たち

黒田 泰三 著

価格
2,200円(税込)
刊行
2018年04月
ISBN
9784808711078
Cコード
0071
判型
B5
ページ数
104

内容

もともと中国に始まった文人画は、日本では18世紀から19世紀にかけての短い期間に花開きました。日本の文人画には中国文人画に備わっている運命的な厳しさや幽愁こそありませんが、日本人の心情に身近な情感があり、複雑ではない心象が託されています。技巧を求めて到ることのできない、自ら娯しむという境地。遊戯の精神を忘れず、自由を希求し「万巻の書を読み万里の道を行く」生き方。本書は、そうした世界をつくりだした個性豊かな画家たちをとり上げて紹介します。
「彼らが追い求めた文人画の最大の魅力である自娯は、画面の上に具体的なかたちとしてあらわれるものではありません。それはおそらく、絵を描くことを楽しむこと、そしてその時に感じる自由の中に存在するのではないでしょうか。このような自娯の境地を想像する時、画家の感じた自由が鑑賞者に伝わってくるのではないでしょうか」(序文より)。

目次

はじめに---知的な遊戯としての絵画
序章---文人画とは

第一章 池大雅---日本文人画の大成者
大雅─無類のカラリスト
【特集】旅の画家と「真景図」
【特集】大雅以前の文人画家たち
 ★傑作クローズアップ(1) 十便図

第二章 与謝蕪村---俳諧の心を描いた巨頭
蕪村─時間の表現者
【特集】譎の画家蕪村---池大雅と与謝蕪村
【特集】俳人蕪村、画家蕪村
 ★傑作クローズアップ(2) 夜色楼台図

第三章 文人画の巨匠たち---日本文人画のひろがり
文人画の巨匠たち─上方と江戸
浦上玉堂─解き放たれゆく魂の表現者
木米─曲がった美しさ
田能村竹田─自娯への彷徨
 ★傑作クローズアップ(3) 梅花書屋図
谷文晁─大御所ゆえの悲哀
渡辺崋山─命を懸けた疾走者の孤独

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