絵金 闇を照らす稀才
- 価格
- 2,860円(税込)
- 刊行
- 2023年05月
- ISBN
- 9784808712679
- Cコード
- 0071
- 判型
- B5
- ページ数
- 144
内容
この絵師、ただ者にあらず――。
幕末土佐で活躍した「絵金」。独特の様式で描く極彩色の「芝居絵屏風」は現代でも高知の夏祭りの花形で、広く親しまれる。代表的な芝居絵屏風、絵馬提灯、絵馬、風俗画、白描画、絵本など多彩な作品を通して絵金の画才を堪能できる画集。
目次
はじめに 中谷有里
絵金の画業と絵金文化 中谷有里
第一章 絵金が学んだもの 中谷有里
●コラム 前村洞和の弟子 ―絵金と暁斎 鍵岡正謹
●コラム 風俗表現に見る「絵金が学んだもの」 中谷有里
第二章 語り物の表現① 芝居絵屏風 中谷有里
●コラム 小さなモティーフに隠されたストーリーの鍵 中谷有里
●コラム 台提灯のなかの笑い絵 鍵岡正謹
●絵金祭りの風景 中谷有里
●祭礼情報/絵金さんに会える場所
第三章 語り物の表現② 絵馬提灯 横田 恵
●コラム 新出の絵馬提灯とその制作過程 横田 恵
第四章 語り物の表現③ 絵巻・横幟・白描 中谷有里
●コラム 絵金が描く饒舌な語り物の時空 中谷有里
第五章 絵金の人柄が伝わる作品 中谷有里
第六章 絵金さんたちの土佐芝居絵屏風 横田 恵
●コラム 絵金の弟子たち 鍵岡正謹
●コラム 絵金と小龍 中谷有里
年譜
作品リスト/絵金を知るためのブックリスト
著者プロフィール
一九四三年、奈良県生まれ。慶応義塾大学卒業。セゾン美術館(西武美術館)企画学芸部長を経て、高知県立美術館初代館長、岡山県立美術館館長。現在、岡山県立美術館顧問、絵金蔵顧問、高知県立文化財専門委員など。詩集に『鉛島』(一九九三年)、『ランポードー』(一九九四年)、『中空』(二〇二二年、いずれも書肆山田)、著書に『棟方志功(新潮日本美術文庫44)』(新潮社、一九九八年)、『絵金と幕末土佐歴史散歩(とんぼの本)』(共著、新潮社、一九九九年)、『山脇信徳ー日本のモネと呼ばれた男』(高知新聞社、二〇〇二年)など。
高知県立美術館主任学芸員。高知県立美術館展覧会「綴る画家たちー土佐画人の言葉と絵画」(二〇二〇年)、「土佐ものを蒐める楽しみ」(二〇二一年)、高知サマープロジェクト「しりあがり寿さんが高知県美にやってくる!」および関連ワークショップ「絵金の年中風俗絵巻アニメ化大作戦!」(二〇二二年)などを担当。論文に「絵金の物語表現ー赤岡本芝居屏風《伽羅先代萩》を中心に」(『日本美術のつくられ方 佐藤康宏先生の退職によせて』羽鳥書店、二〇二〇年)、「楠瀬大枝の桜画(一)ー松桜主題を中心に」(『高知県立坂本龍馬記念館研究紀要⑶』、二〇二一年)、「楠瀬大枝の桜画(二)ー牡丹と桜を描く主題『西王帰』」(同⑷、二〇二二年)など。
創造広場「アクトランド」学芸員。二〇〇五年より絵金蔵初代蔵長及び学芸員、二〇一七年より現職。南国市文化財保護審議委員。展覧会「祝祭に捧げた夢ー絵師金蔵の悦楽と悲哀」(二〇〇九年)、「宵を彩る絵馬提灯の世界 釜淵双級巴」(二〇二一年)などを担当。論文に「芝居絵屏風のある祭礼ー残したい風景」(『絵金 極彩の闇』高知県立美術館、二〇一二年)、書籍に「座談会絵金ー祭りになった絵師」(『絵金』絵金蔵監修、PARCO出版、二〇〇九年)、『絵金資料調査報告書 第一集ー芝居絵屏風I』(香南市・絵金蔵運営委員会、二〇一三年)など。