新たな表現の可能性を求めて実験を重ね続けたターナー。改訂版では、作品のクローズアップを通して、独創的な技法や色彩表現に迫る巻頭特集を増補。ターナーの創作の軌跡を丁寧にたどることができる一冊。

巻頭特集 変化を描きとる　千変万化するターナーの絵筆にクローズアップで迫る

序章　早熟の風景画家 1775-1789

第１章　ロイヤル・アカデミーにて 1790-1801
イギリス美術界と水彩画の発展
油彩画家への転身／相次ぐ注文
特集：「ピクチャレスク」の風景美学

第２章　オールド・マスターの超克 1802-1818
初めての大陸旅行
クロード・ロランとの競演
旺盛なプロモーション活動
特集：「崇高」の風景美学
特集：ナポレオン戦争

第３章　イタリアの光に導かれて 1819-1839
巨匠たちの伝統
ヴェネツィアの誘惑
大陸旅行の案内人
イギリス社会の相貌
現代社会へのコミット
特集：ターナーのパトロンたち
名品を読み解く＜戦艦テメレール号＞

第４章　色彩のシンボリズム 1840-1851
帝国の運命
地水火風　刻々と変容する姿
対作品に見る色彩論
スイス主題の水彩画
原点への回帰
特集：ラスキンとの出会い
特集：＜ノラム城＞に見る表現技法の変遷
名作を読み解く＜雨、蒸気、速度＞

７．終章　ターナーのレガシ

８．コラム
ウェールズの魅力
ヴァーニシング・デーのパフォーマンス
文学と結びついたスコットランド風景
ターナーの水彩技法