新刊

もっと知りたいルドン 改訂版

高橋明也 監修/山本敦子 著

価格
2,200円(税込)
刊行
2024年10月
ISBN
9784808713119
Cコード
0071
判型
B5
ページ数
96

内容

幻想的世界を描いた「黒の時代」から、パステルなど駆使し色彩を自由に操った円熟期まで、象徴主義を代表する画家の全貌を紹介。改訂版では、「ローカリズム」「装飾芸術」「日本での受容」など、より多角的な視点からルドンとその芸術を見つめる。

目次

オディロン・ルドン──夢をつむぐ力 <高橋明也>

序章 荒地の子ども時代 〜ルドンの原風景 1840-1850年(0-10歳)
【もっと知りたい1】ルドンの生きた時代の美

1章 エチュードの時代 ~ボルドーとパリの日々 1851-1869年(11-29歳)
【もっと知りたい2】ルドンの美の源泉

2章 黒の時代 ~異形のものたちとの対話 1870-1888年(30-48歳)
◎傑作クローズアップ1──《石版画集『エドガー・ポーに』》
【もっと知りたい3】ルドンと文学者たち
・コラム:画家の妻、カミーユ
・コラム:顕微鏡、天体望遠鏡の進化
・コラム:「シン・アプリケ」とは?
・コラム:最後となった印象派展

3章 闇から光のなかへ ~黒との決別 1889-1898年(49-58歳)
◎傑作クローズアップ2──《眼をとじて》
・コラム:ルドンの作品を愛したゴーギャン
・コラム:ペイルルバード荘園はいま?

4章 色彩との結婚 ~パステルが奏でる夢幻 1899-1916(59-76歳)
◎傑作クローズアップ3──《グラン・ブーケ》<高橋明也>
              修復のアトリエから<森直義>
◎傑作クローズアップ4──《ドムシー城食堂装飾画》
【もっと知りたい4】官能的なルドンの花 ~花の絵の系譜
【もっと知りたい5】比べて分かるルドンの神話画
【もっと知りたい6】ルドンと装飾
◎傑作クローズアップ5──フォンフロワド修道院図書室装飾画《夜》を読み解く
【もっと知りたい7】ルドンに根をはる地域性<高橋明也>
【もっと知りたい8】ルドンと音楽
・コラム:神話の背景 ~アポロン
・コラム:神話の背景 ~オルフェウス
・コラム:神話の背景 ~パンドラ
・コラム:「デトランプ」とは?
・コラム:ルドンと交流のあった音楽家

日本におけるルドンの受容と評価<安井裕雄>
岐阜県美術館のルドンコレクション<松岡未紗>

あとがき/改訂版によせて〈山本敦子〉

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著者プロフィール

高橋明也 監修

1953年生まれ。東京藝術大学大学院美術研究修士課程修了。東京都美術館館長。国立西洋美術館学芸課長、三菱一号館美術館初代館長等を経て、2021年より現職。専門はフランス近代美術。1984~86年、オルセー美術館開館準備室に勤務。2010年にフランス芸術文化勲章シュヴァリエ受章。主な企画展覧会に「ドラクロワとフランス・ロマン主義」(1989年)、「1874年―パリ、〈第一回印象派展〉とその時代」(1994年)、「オルセー美術館展」(1996年、1999年、2006~07年)、「ジョルジュ・ド・ラトゥール―光と闇の世界」(2005年)、「コロー 光と追憶の変奏曲」(2008年)、「マネとモダン・パリ」(2010年)他。著書に『ゴーガン―野生の幻影を追い求めた芸術家の魂』(六耀社)、『もっと知りたいマネ』(東京美術)、『美術館の舞台裏―魅せる展覧会を作るには』(筑摩書房)、『新生オルセー美術館』(新潮社)他。

山本敦子 著

1953年生まれ。東京藝術大学芸術学科大学院修士課程修了。西洋美術史専攻。元、岐阜県美術館学芸部長。主な企画展覧会に「19世紀リヨンの栄光」(1990年)、「フランス絵画20世紀への旅立ち」(1992年)、「ルドン展 絶対の探求」(2002年)、「ルドンの黒」(2007年)、「夢見る世紀末 ルドンとその周辺―岐阜県美術館所蔵―」(2011年)、「オディロン・ルドン 夢の起源」(2013年)など多数。著書に『リヨン派画集』(トレヴィル)、『名画への旅20 音楽をめざす絵画』(共著、講談社)、訳書にスティーヴン・ワイルドマン『バーミンガム市立美術館所蔵イギリスの水彩画展』(共訳、イギリスの水彩展カタログ委員会)他、展覧会カタログ寄稿多数。