もっと知りたいやまと絵
- 価格
- 2,420円(税込)
- 刊行
- 2023年10月
- ISBN
- 9784808712655
- Cコード
- 0071
- 判型
- B5
- ページ数
- 96
内容
やまと絵は中国伝来の絵画(唐絵)と対比される形で成立し、千年もの間さまざまな変化を遂げながら命脈を保ってきた、まさに日本美術史のメインストリーム。やまと絵の歴史を知ることは、日本絵画の歴史を見つめることといっても過言ではありません。本書は国宝、重要文化財あわせて60件超を含むやまと絵の代表作約100点を通して、日本美術の核心に迫る画期的な入門書。
目次
はじめに/本書で取り上げた作品
序 やまと絵とは
やまと絵の成立と基本概念
平安時代の唐絵とやまと絵
やまと絵の画面構成
第一部 やまと絵の歴史
古代
奈良時代 やまと絵以前の山水表現
やまと絵以前の人物表現
Column やまと絵と中国絵画
平安時代 平安時代のやまと絵山水
やまと絵の誕生と和歌
平安時代の物語絵巻
平安時代の説話絵巻
常盤光長と院政期の絵巻
Column 後白河院と蓮華王院宝蔵絵
中世
鎌倉時代 風景表現の展開
似絵の系譜
王朝追慕と宮廷文化の賞揚
高階隆兼とやまと絵の様式転換
Column 白描画の伝統
南北朝・室町時代 金銀加飾
土佐光信と光茂、光元
Column やまと絵師とサイン
南北朝・室町時代 和漢の混交と融合
Column 源氏絵──中世から近世へ受け継がれた画題
近世
転換期のやまと絵
近世やまと絵の確立
Column 近世御所をめぐる絵画
近世の土佐派
住吉派
近世の狩野派
Column 浮世絵師とやまと絵
琳派
復古やまと絵
Column 海を渡ったやまと絵屛風
近代
やまと絵から日本画へ
第二部 やまと絵の主題と広がり
人事と景物
四季絵
月次絵
名所絵
世俗人物の肖像画
歌仙絵
経典の荘厳とやまと絵
調度手本と料紙装飾
仏画のなかのやまと絵山水
工芸品のなかのやまと絵表現
やまと絵関連年表
著者プロフィール
東京文化財研究所を経て、東京国立博物館絵画・彫刻室長。「春日大社 千年の至宝」(2017年)、「天皇と宮中儀礼」(2019年)、「国宝 鳥獣戯画のすべて」(2021年)、「やまと絵―受け継がれる王朝の美―」(2023年)等の展覧会を担当。主な編著・論文に『歌仙絵』展図録(東京国立博物館、2016年)、『室町時代のやまと絵』展図録(同、2017年)、高山寺監修・土屋貴裕編『高山寺の美術』(吉川弘文館、2020年)、土屋貴裕・三戸信惠監修・著、板倉聖哲著『もっと知りたい鳥獣戯画』(東京美術、2020年)、土屋貴裕編・共著『鳥獣戯画研究の最前線』(同、2022年)、『セレクション 絵巻』(東京国立博物館、2022年)など。